シェフであり続ける、、ということ

元ナースがシドニーでシェフの勉強中。きっかけはいつもテキトー、でも中途半端は大キライ。どうせやるなら・・!

料理長から学んだシェフの5味のバランスコントロール

 今日は自分の新作を副・料理長にチェックしてもらった。

結果、、、OK!!!

副・料理長にプレゼンでOKもらうのはかなり厳しい。どうしてこれが出来上がったのか、どこをポイントにしたのか説明しなければならない。

フィードバックは見た目の印象、口に入れた瞬間の印象、食べていく過程の印象、そして最後に食べ終わった後の印象。

それぞれの段階での感想をアドバイスを入れながら細かく説明してくれます。

ホタテのカルパッチョのプレゼン

http://instagram.com/p/yW0rgQKZTS/

これはホタテのカルパッチョ。見た目は洋風だけど中身はかなり和を意識。

ポイントは、ホタテをマリネするピューレに入っていたレッドカプシカンを外してもう一つのピューレにしてみた。こうすることによって、前回は2段階だった味のコントラストを3段階に広げてみた。

 

一段階目、レッドカプシカンの甘さをシーソルトと白醤油の塩分を加えて引き立てて

二段階目、ミズヒキのピリッとしたさわやかな辛味、ホワイトワインビネガーのさわやかな酸味

最後に、ホタテの甘さ

が順番に口の中に広がるようにしてみた。

ペッパー入りのフィグジャムのプレゼン

以前、チーズプレートに添えるジャムを作ってみた。

ワインを飲みながらなのでただの甘いジャムではなくて少しスパイシーなジャム。

主役にフィグ(いちじく)を選んでそこから展開。ここでしか食べられないジャム。フィグは甘さがとても控えめで少し酸味もある。一緒に盛られるチーズはどれも塩分が強い。

で、出来たのがホワイトペッパー入りのフィグジャム

市販のフィグピューレをあえて加えることでフレッシュフィグの甘さを自然な形でヘルプし、同じくフィグの酸味をレモンジュースでもう少し前に出してあげて、ホワイトペッパーで辛味を加える。

出来立ての熱いジャムにペッパーを加えてしまうと全体に溶け出して辛味が強くなるので、完全に冷ましてからポイント的に辛味を加えることで、他の味覚とバランスがとれる。

 

その他にも試作をしてきたが、上記の2つの説明で皆も気づいただろうか?

ある日、副・料理長らはいつも試食する時に甘味・酸味・塩味・苦味、そして第5味のうまみ、これらのバランスを考えていることに気づいた!So Cooooooooool!!

ある時は料理長、「この食材の酸味がかなり弱いからそこをもう少し引き立てる何かを加えるといいかも」とか、副料理長「苦味をもっと強くすると飽きずに最後まで食べられる」などと味覚についていつも事細かくアドバイスをしてくれる。

彼らの作る料理もこれらの味覚のバランスがいいので、もちろん美味しい。

そこでもうちょっとだけ掘り下げてみました!

味覚の一週間

世界遺産の一つであるフランス料理。

フランスでは小学生対象に味覚の一日という活動を1990年10月から行っています。当時乱れつつある食文化を次世代を担う子供たちにフランス食文化を正しく伝えようと始まったそうです。後に味覚の一週間となり、食育へと発展している。

現在では日本全国にも広まり、毎年10月第4週目に味覚が未発達の小学3~4年生を対象にイベントが行われている。

ここでは、甘味・酸味・塩味・苦味・旨味を5感を使って体験するというもの。料理はいずれもフランスの3星シェフ達に提供される。

一つのプレートから5味がバランスよく味わえるようになっている。

 

で、話もどして・・だからそうなんです。

要は5味のバランス

このバランスの感じ方は人それぞれだからこそ、試食して感想を言い合い話し合いまた方向性を決まる。

副・料理長、またまた勉強させて頂きました!

 

ちなみに何でこれに気づけたかというと、、

どうしたら料理長の創造の世界に近づけるのかと、聞いたことをそのままその場でノートに書いていたんです。料理長のプレゼンの言葉もそのままノートへ。。

何となくだけど、言葉の中に何かヒントが隠されているかも・・な~んてふと思い、

それを繰り返し読んでたら、料理長のプレゼンではいつもこの5味について説明していることに気づいたんです!暗号が解けた時のような爽快感!!

さすがだわ~・・御見それしました!脱帽・・

 

というわけで、次は何を作ろうか??