ケーキの話
「仕事を探してるんですけど・・・」
よくそんなことを言いながら、店にレジメを持って来る人がいる。
ではどんな人を採用したいか。。
必要なのが運動能力。そして協調性。
最後に忘れちゃいけないのが、我武者羅さ。
料理に関係ないじゃん!って思うかも知れないけど、
案外重要・・
よって、五感に頼るしかないんだな~結局のとこ。
その五感って料理でも絶対必要!
実は現在、店の2つあるオーブンのうちの1つがつかえん。
かなり繊細になっていて、ちょっとした振動で火が消える。
なのに、残りのオーブンの火がかなり気まぐれ。
温度設定の意味あるんかぃ!!って言いたくなるほど不安定。
毎日の様にケーキを焼くけど、かなり左右される。
あのさー!!と言いたい。
そこで、温度を肌で感じることに集中・・
オーブンドアを開けた瞬間に来る熱気で温度を判断。
そしてケーキの膨らむ仕組み(基本)が解っていれば、どんな環境でも案外いける。
あ、ちなみに↑は低温過ぎて泡が膨らまなかったものです。
ケーキの基本材料を診る
卵 → ケーキ作りでは殆どが先ず溶き卵に砂糖を溶かし(卵の凝固温度を高める)、湯煎で泡立てる。(表面張力が弱まり、泡立ちをよくするため)
卵白*60℃前後で変性が始まり、75~80℃で凝固。
卵黄*65~70℃で凝固。砂糖によって凝固温度を高めて、湯煎で固まらないようにする。
ただし!湯煎の温度が高すぎると(60℃以上)グルテンが発生してしまうので注意!
小麦粉 → これの役割は、テントの骨組み。ケーキを膨らませるの卵に含まれた空気ですが、膨らんだ時にケーキを支えるのは小麦粉に含まれたでんぷんとグルテン。
グルテンが骨組みとなって、でんぷんがそこを固定するようなイメージ。そしてこの二つのバランスも重要。
粉あわせの時にさっくり混ぜるのも、グルテンの生成を最低限に抑えるため。
バター → 基本ミルクと同様生地をしっとりさせるのが狙い。液体を直入れすると泡が消えてしまうので、ヘラで受けながら生地にやさしく加えます。
砂糖 → 卵の凝固温度を上げたり泡立てのヘルプをしたり、生地をしっとりさせる役割もあります。というのも、砂糖は水分を抱え込んでいるため。ジャムが腐りにくいのは、砂糖が腐敗菌の繁殖に必要な水分を抱え込んでいるからなんです。
洋酒・バニラ → 卵臭さを消すために洋酒やバニラを加えます。
バニラビーンズ*牛乳で煮出す。
バニラエッセンス*アルコールにバニラの香りを付けたもの。安いですが、加熱するとアルコールと同時に香りも飛んでしまうので、冷菓など加熱しないものに使う。
バニラオイル*食用オイルにバニラをつけたもの。加熱するものにもオケ!
空気の話
ケーキをふんわり仕上げるコツは、良い空気。
どんだけ生地に良い空気を練りこんでいけるかってこと。
よくあるのは、卵白をよく冷やした方が良く泡立つ、、とか
メレンゲは8分ほどのたて具合というけど、、、
卵白は湯煎までしなくても、卵自体をケーキを仕込む30分前くらいから常温に出しておきます。
その方が木目細かい泡となる。
そしてそこへ砂糖が加わることで、
Extra水分が入りもったり艶やかな泡となる。
これがケーキをしっとりおいしくさせる。
これさえあれば、古いオーブンであってもいけるっしょ。
料理の材料、全てに意味がある。